○山江村認知症初期集中支援事業実施要綱

平成29年6月16日

告示第76号

(趣旨)

第1条 この要綱は、介護保険法(平成9年法律第123号)第115条の45第2項第6号に基づく認知症施策推進事業における認知症初期集中支援推進事業について定めるものとする。

(目的)

第2条 この事業は、認知症になっても本人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域で暮らし続けられるために、認知症の人やその家族に早期に関わる認知症初期集中支援チーム(以下「支援チーム」という。)を設置し、早期診断・早期対応に向けた支援体制を構築することを目的とする。

(実施主体)

第3条 事業の実施主体は、山江村とする。

(支援チームの設置)

第4条 第1条の目的を達成するために、山江村地域包括支援センター(以下「地域包括支援センター」という。)に支援チームを置く。

(支援チームの役割)

第5条 支援チームは、認知症に係る専門的な知識・技能を有する医師の指導の下、複数の専門職が家族の訴え等により認知症が疑われる人や認知症の人(以下「訪問支援対象者」という。)及びその家族を訪問、観察・評価、家族支援などの初期の支援を包括的、集中的に行い、自立生活のサポートを行うものとする。

2 支援チームは、かかりつけ医、かかりつけ歯科医、認知症サポート医、認知症に係る専門的な知識・技能を有する医師、認知症疾患医療センター職員、介護事業所との連携を意識し、情報が共有できる仕組みを確保する。

(認知症初期集中支援チーム員の構成)

第6条 認知症初期集中支援チーム員(以下「チーム員」という。)は、専門職2名以上と、専門医1名をもって構成する。

2 前項の専門職は、次の各号の全てを満たす者とする。

(1) 医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士、視能訓練士、義肢装具士、歯科衛生士、言語聴覚士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、栄養士、精神保健福祉士、介護支援専門員又はこれらに準ずる者であり、かつ、認知症の医療や介護における専門的知識及び経験を有すると市町村が認めた者

(2) 認知症ケアや在宅ケアの実務・相談業務等に3年以上携わった経験がある者

(3) 国が別に定める認知症初期集中支援チーム員研修を受講し、必要な知識・技術を習得した者。ただし、やむを得ない場合には、国が定める研修を受講したチーム員が受講内容をチーム内で共有することで、同研修を受講していないチーム員の事業参加も可能とする。

3 専門医は、認知症の確定診断を行うことができる認知症サポート医(嘱託医を含む。)で、日本老年精神学会若しくは日本認知症学会から認定を受けた専門医又は認知症疾患の鑑別診断等の専門医療を主たる業務とした5年以上の臨床経験を有する医師とする。

(チーム員の役割)

第7条 専門職は、目的を果たすために訪問支援対象者の認知症の包括的観察・評価に基づく初期集中支援を行うために訪問活動を行う。

2 専門医は、他のチーム員をバックアップし、認知症に関して専門的見識から指導・助言等を行う。また、必要に応じてチーム員とともに訪問し相談に応じる。

3 訪問する場合のチーム員数は、初回の観察・評価の訪問は原則として医療系職員と介護系職員それぞれ1名以上の計2名以上で訪問することとする。また、観察・評価表の記入は、チーム員である保健師又は看護師が行う。

(認知症初期集中支援チーム検討委員会の設置等)

第8条 村は、支援チームの設置及び活動状況について検討するため、医療・保健・福祉に携わる関係者等から構成される「認知症初期集中支援チーム検討委員会」(以下「検討委員会」という。)を設置する。

(訪問支援対象者)

第9条 訪問支援対象者は、原則として、40歳以上で、在宅で生活しており、かつ認知症が疑われる人又は認知症の人で、次の各号のいずれかの基準に該当する者とする。

(1) 医療サービス、介護サービスを受けていない者、又は中断している者で以下のいずれかに該当する者

 認知症疾患の臨床診断を受けていない者

 継続的な医療サービスを受けていない者

 適切な介護サービスに結びついていない者

 介護サービスが中断している者

(2) 医療サービス、介護サービスを受けているが認知症の行動・心理症状が顕著なため、対応に苦慮している者

(事業の実施内容)

第10条 事業の実施内容は次に掲げる事項とする。

(1) 支援チームに関する普及啓発

村及び地域包括支援センターは、地域住民や関係機関・団体に対し、支援チームの役割や機能について広報活動や協力依頼を行う。

(2) 認知症初期集中支援の実施

 訪問支援対象者の把握

村及び地域包括支援センターは、本事業の訪問支援対象者の把握に努めるものとする。

 情報収集

訪問時には十分な情報を得るために、家族などのあらかじめ協力の得られる人が同席できるよう調整を行い、本人の現病歴、既往歴、生活情報等に加え家族の情報などを収集するものとする。また、信頼性・妥当性の検証がされた観察・評価表を用いて、認知症の包括的観察・評価を行う。

 初回訪問の実施

初回訪問は概ね2時間以内とし、認知症の包括的観察・評価、基本的な認知症に関する正しい情報の提供、専門的医療機関への受診や介護保険サービスの利用の効果に関する説明及び訪問支援対象者やその家族の心理的サポートや助言を行う。

 チーム員会議

初回訪問後、訪問支援対象者毎に観察・評価内容を総合的に確認し、支援方針、支援内容、支援頻度等を検討するため、専門医も含めたチーム員会議を行う。必要に応じて、訪問支援対象者のかかりつけ医、介護支援専門員、村関係課職員等の参加も依頼する。

 初期集中支援の実施

支援チームは、医療機関への受診が必要な場合の動機付けや継続的な医療サービスの利用に至るまでの支援、介護サービスの利用等の勧奨・誘導、認知症の重症度に応じた助言、身体を整えるケア、生活環境の改善等の支援を行う。なお、支援期間は、訪問支援対象者が医療サービスや介護サービスによる安定的な支援に移行するまでの間とし、概ね最長で6ヶ月とする。

 初期集中支援の終了とその後のモニタリング

認知症初期集中支援の終了をチーム員会議で判断した場合は、認知症疾患医療センターや担当介護支援専門員等と同行訪問を行う等の方法で円滑に引継ぎを行う。

また、支援チームは引継ぎの2ヶ月後に、サービスの利用状況等を評価し、必要性を判断の上、随時モニタリングを行うものとする。

 記録等の保管

支援チームは、訪問支援対象者に関する情報、観察・評価結果、初期集中支援の内容等を記録した書類を5年間保管しなければならない。

(守秘義務)

第11条 チーム員及び検討委員会の委員は、業務で知り得た秘密及び個人情報を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。

(その他)

第12条 この要綱に定めるもののほか、本事業の実施に関し必要な事項は、村長が別に定める。

(施行期日)

この告示は、平成29年7月1日から施行する。

山江村認知症初期集中支援事業実施要綱

平成29年6月16日 告示第76号

(平成29年7月1日施行)